こじらせた男の話

世間一般の男性が童貞を卒業するのはおそらく二十歳までの間だろう。

しかし私は、それを大きく逸脱した三十代手前まで童貞のままだった。その原因は、思春期時代に女子から受けた心ない虐めだった。

心ない虐めと書いたが、今ではそれも仕方がないと思っている。当時の私は不潔で本当に陰気臭かった。そのため、罰ゲーム告白や水をぶっかけられたりするのは日常茶飯事。英語の授業などでペアを組む相手はいなく、いつも先生と一緒、昼食は1人で校舎裏の木々に紛れて食べていた。

そんな日々を終わらせるため私は、大学で県外に出て、大学デビューを決め込んだ。そして5月には彼女ができ、大学デビューは大成功に思われた。

家が同じマンションだったので登下校も一緒にしたし、誕生日も二人で過ごし、お互いの家を行き来する中だった。ところがある日、知人の噂から彼女にとって私はいわゆる”キープ”でそんな男が彼女の前に10人近く存在する事を知ってしまった。産まれてはじめて仲良くなった女性に私はコロッと騙されていたのだ。

それから私の女性不審は一層高まり、6畳の空間に女性がいるだけで逃げだすくらい女性が嫌いになった。

でも、オナニーは欠かさずしていた。女は嫌いだが、性には興味津々。女の事が頭から離れない。女性が嫌いになればなるほど私のオナニー頻度は加速していった。

そしてある日おたふくかぜになった影響で私の精子は枯れ果てた。

現在も私は女性の事が得意ではない。しかし、普通にセックスもするようになったし、いじめられた影響による倒錯趣味も特にない。

不思議な話であるが、精子が枯れ果てたことで私の女性恐怖症は収まったのだ。

あくまで推測でしかないが、女性恐怖症とは本当は女性の事が好き過ぎて起こる病気なのかも知れない。今の私はもう愛する人を抱くこともできない。愛する人を作る事も出来ない。

そのおかげで私は女性恐怖症を克服できたのだ。